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スアレスは、なぜ噛み付くのか やってはいけない「子どもの心を荒らす」子育て

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 約1カ月に渡って、熱い闘いが繰り広げられた 2014 FIFA W杯ブラジル大会の開催中には思わぬニュースも飛び込んできたが、ひときわ目をひいたのはウルグアイ代表のエース・スアレス選手の「噛み付き事件」だ。


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 1次リーグイタリア戦の後半35分、スアレスはイタリアDFと接触。


その際、相手選手の肩に噛み付いたとされ、スアレスは罰金などのほか公式戦9試合の出場停止を課せられた。


実はスアレスは所属クラブでの噛み付き事件により、過去2回ほど出場停止処分を受けている。


 スポーツ心理学の専門家である、サルフォード大学のトム・フォーセット博士によれば、スアレスの噛み付きグセは恵まれない幼少時代の経験に根ざしている可能性があるという。


「発育期の体験は人格形成に確かな影響を与える。

スアレスは貧しい家庭に7人兄弟として生まれ育った。

厳しい環境であり、生き残るには闘わなければならなかったのではないか」と推測している。(6月26日AFP BBNewsより) 


 幼少時代の経験、とりわけ親子関係が子どもの心に与える影響の大きさについては、発達心理学の観点からもさまざまな報告がなされている。


また、ネット上の相談サイトに寄せられた悩みをみても、子どもの「噛み付きぐせ」について悩む母親は、決して少なくないようだ。


 そこでその答えを求めて、『子どもの心を“荒らす親”・“整える親” 感情コントロールができる子に育てる』(河井英子/PHP研究所)の著者である、河井英子氏にお話をうかがった。


■なぜ、子どもは噛み付くのか

「1~2歳くらいの幼児は、まだ自分の意志を言葉で伝えることができません。


そのため、噛み付くことで、なんらかの意思表示をする場合もあるのです。


そんなときはいきなり叱らずに、何が不快で何を訴えたいのかを的確にとらえ、シンプルなフレーズで“噛んではだめよ”と、優しくさとすとよいでしょう。


 ところが、3歳すぎのお子さんの場合は、少し状況が異なります。


子どもの心は行動と直結しており、幼いなりに繊細で傷つきやすいため、心になんらかのストレスが加えられると傷ついた心が“荒れ”を引き起こし、それが行動に出てしまうのです。


たとえば、自分がお母さんに受け入れられていないなと感じてしまうとき。


子どもの心は不安になり、イライラから友達とケンカをしたり、人に噛み付くことがあるのです。


もし、お子さんが幼稚園のお友達とケンカをして、噛み付いて帰ってきたら、まずは冷静に“人を噛んではだめでしょう。○○ちゃんがどんなに痛かったのか、わかる?”


と、相手の気持ちを考えさせるように言い聞かせてみてください」



■親自身のストレスが子どもの心を荒らしていた

スアレス選手の場合は環境的にみても、親御さんの育児負担はかなり大きかったのではないかと思われます。


南米の文化やしつけの習慣は日本とは異なるので、いちがいに比較することはできませんが、幼少時代の親子関係は、実はとても大切です。


 というのも、子どもは、親の感情に対してものすごく敏感だからです。


たとえば、現代の日本の親世代の生活はとても多忙で、親と一緒に生活している子どもも、当然その影響を受けざるを得ません。


働く母親の“仕事で忙しくて子どもの世話が大変だ”というイライラ感や、あるいは専業主婦の“一日中子どもと一緒にいるのはしんどい”というストレス感は、そのままダイレクトに子どもに伝わってしまいます。


子育て中は親御さん自身も自分の生活に追われたり、あるいは初めての子育てにとまどって気持ちがいっぱいいっぱいになってしまい、お子さんに感情であたってしまう場面も少なくないことでしょう。


しかし、親のストレスを感じるストレスや、自分は親に愛されていないのではないかという不安感から、子どもの心は少しずつ荒れてしまうのです」



■ 子どもにしてはいけないのは、暴言や人格否定

「そのような流れから、子どもが自分の言うことを聞いてくれなくなったり、いい子でいてほしいのに行動が荒れてしまうと、子育てに自信がなくなってしまうかもしれません。


でも忘れてはならないのは、子どもはもともと自分とは別の人格をもつ、異なる存在であること、親の思い通りにはならない“ままならない”存在であるということです。


ちゃんと独立した人格として尊重すること、子ども扱いしないことを基本的なスタンスとしてください。


 なにより大切なのは、子どもの心を荒らすような原因を親自身がつくらないことです。


子どもにとっていちばん大切なのは、誰でもない自分の親。


子どもは思った以上に母親の顔色を見ていますし、言われた言葉を忘れません。


間違っても“あなたみたいな子どもは、いらない!”というような、不用意な言葉を言ってしまってはだめなんです。


子どもが悪いことをしたら、行為は叱っても、人格は否定しないこと。


“ダメな子ね”とは言わない。


叱り過ぎたと思ったら“あなたのこと、本当にかわいくて大切に思っているのよ”と、愛あるフォローをするのです。


 近年は、ママ友同士の人間関係も徐々に複雑化し、なにかとギスギスしがちです。


ただでさえ、仕事や家事で精神的な負担が大きいのですから、お母さん自身も、心穏やかに生活することを心がけることも大切なのではないでしょうか」



 河井氏の著書によれば、最終的には「親はあくまで、子どものカウンセラー」であるべきだという。


親の目から見れば遅々として進まない子どもの発達はじれったく、また子どもは言葉にできないことも多いもの。


だからこそ、親はカウンセラーのような「無条件の受容と共感」をもち、子どもの心を敏感に感じ取る感受性を養っていくことが必要になってくる。


 そのためには親自身も、自分の心を荒らさず整える努力が必要なのかもしれない。


本書には幼稚園入園前から児童期まで、子どもの心の発達段階に応じた子育てについても詳しく解説されているので、ぜひ参考にしてほしい。 

取材・文=タニハタマユミ 






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