新米のお父さんお母さんを悩ませる赤ちゃんの夜泣き。
どうして泣いているのか分からないし、睡眠不足に陥るしでイライラしたり落ち込んだり…。
実際、1歳の娘を持つ私も「授乳さえしたら寝てくれるから…」と我慢を続けていました。
しかし、タレントの
小倉優子さんやモデルの
SHIHOさんのブログでも話題になっていた本『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』によると、少しのコツや工夫で夜泣きを改善できるそう。
この本を執筆している、「赤ちゃんの眠り研究所」代表で"夜泣き専門"保育士の清水悦子先生に、「なんで夜泣きするの?」「どうすれば改善される?」という悩めるママの疑問を伺ってきました。
■■「夜泣き」の原因には2種類ある——そもそも夜泣きってなぜ起こるのでしょうか?
清水悦子先生(以下清水):夜泣きの原因には2種類あり、一つ目は「体内時計」の問題です。
体内時計というのは人間の1日のリズムを作る役割があり、夜になったら寝て、朝になったら起きる、という調整をしています。
この体内時計がうまく発達していないと夜の眠りが浅くなり頻繁に起きるということがあります。
この場合、生活リズムを整え、朝の光を浴び、日中は活動的に、夜は暗く静かに、という基本を押さえるだけで睡眠の質がよくなったりします。
二つ目は「寝かしつけ」の問題です。
入眠時だけでなく、夜中眠りが浅くなった時にも、ずっと「抱っこ」や「ゆらゆら」を求めてお母さんを呼んで泣いてしまう、「眠い」という気持ちを超えてまで自分の思う寝かしつけを求めて泣いてしまう。
そんな「こだわりの強い」タイプの赤ちゃんの場合、「寝かしつけ」に夜泣きの原因がある可能性があります。
普段お母さんがしている「寝かしつけ」の習慣が、知らず知らずに、赤ちゃんの睡眠の質を下げて夜泣きを引き起こす原因となっているのかもしれません。
ーー著書にもある"寝言泣き"もその原因の一つでしょうか。
これについては後半で詳しくお伺いします。
■■赤ちゃんが夜中に起きるのは当たり前清水:実は夜中に赤ちゃんが起きるというのは当たり前のことなんです。
生理学的な用語で言うと「生理的夜間覚醒」という名前がついていますが、夜間に起きるということは赤ちゃんの正常な発達なんです。
大人も基本的には夜中に継続的に寝ているように思いますが、実際はいつでも起きられるように体の準備が出来ています。
レム睡眠ノンレム睡眠という眠りの波があるのはなぜかというと、ずっと深い眠りのままではたとえば夜中に何か危険な事が起こったとしても、気付かずにずっと眠ったまま…ということもありえますよね。
そういったことがないようにいつでも危険を察知して起きれるようにする、というのは本能的な仕組みなんです。
——動物としての本能ですね。
清水:赤ちゃんも同じようにお腹がすいたとか何か不快だとか、お母さんが離れたから不安だとか、危険を察知できるように、波のリズムを使って起きられるように体の準備ができているんです。
だから、赤ちゃんの眠りは大人に比べて浅く、波の間隔も短いんです。
■■どんどんレベルアップする夜泣き…——先生もお子さんの夜泣きが壮絶だったとありましたが、具体的に当時の話を聞かせていただけますか?
清水:娘が生後半年くらいからでしょうか。
その当時は22時くらいに子どもを寝かすとぴったり1時間ごとに起き、私はそのたびに授乳して寝かしていました。
それが2週間ほど続いたあと、今度は朝4時や5時になると授乳しても寝てくれなくなる、ということが週に2、3度ありました。。
——夜泣きがレベルアップしたんですね。
清水:仕方ないからソファーで泣き続ける娘を抱っこしたまま、2時間ほどぼーっとしていました。
そうすると疲れきって娘もやっと寝てくれて、朝6時頃から私も一緒に寝るという感じ。
お布団の中から夫が出かけるのを見送って、朝10時くらいからようやく動き出すような生活をしてました。
そういう生活が2ヶ月くらい続いて、孤独感や「こんなに頑張っているのに何がダメなんだろう、私はダメなお母さんだな」という自己嫌悪に苛まれていました。
■■「なんで協力してくれないの! 」清水:夜泣きについて真剣に向き合わないといけないなと思ったきっかけは生後8ヶ月くらいのときでした。
座布団の上でおむつ替えをしていたら、娘がくるっと寝返って逃げようとしたんです。
育児の中ではよくある光景なんですけど、
育児ノイローゼになっていたので、逃げただけでプチンと来てしまって。
ガッと娘を捕まえて「何で協力してくれないの!」と押さえつけておむつを替えようとしたら
この世の終わりのような今まで聞いたことのないような泣き声を出されたんです。
このまま行くと心を病んでしまうと思い、「夜泣きって何で起こるの?」と最初はインターネットから調べ始めました。
——これらの経験が、本を執筆されるきっかけになったのですね。
清水:
理学療法士というリハビリの仕事をしていて、小児リハビリというカテゴリもあるので
学生時代に子どものこともある程度はサラっと勉強していましたが、当時は興味もなかったし記憶もないんですよ。
今現在、夜泣き専門保育士、と名乗っていますが、子どものことをあまりに知らなさぎるので、改めて子どもや赤ちゃんのことを全般に一から勉強しようと思い、保育士の資格を取りました。
■■「寝言泣き」に注意! 泣いたらまずは少し赤ちゃんの様子を見て——私がこの本の内容で一番ハっとしたのは大人と同様に赤ちゃんも寝言を発するという"寝言泣き"についての記述でした。
清水:"寝言泣き"って言葉は実は私が作ったものなんですが、赤ちゃんが夜中40分~60分ごとに泣くのはこの"寝言泣き"の可能性が高いのです。
"寝言泣き"であることに気づかず、都度都度授乳したり抱っこすることで、却って赤ちゃんのペースを乱してしまうのです。
清水:私も娘がフニャっと泣き声を上げるとすぐ「何かあったかな」とおむつを替えたり授乳したりしていました。
今思えば、最初は寝言泣きだったと思うんです。
その小さな声に私が勝手に反応して抱き上げたり授乳、というのを1時間ごとにすることで、娘は「浅い眠りになったら起きなくてはいけない」というリズムが出来てしまったんだと思います。
——知らず知らずのうちにリズムを叩きこんでしまっていた、という感じでしょうか。
清水:海外の情報だと「生後4ヶ月くらいまではなるべく小さい泣き声にはすぐ反応しないように」ということが伝えられてる国もあるみたいなんです。
夜中赤ちゃんが泣くのにあまり過敏に反応しないようにしていれば、それ以降ひどい夜泣きに繋がらないということが
睡眠障害の予防策としても言われています。
■■赤ちゃんはいつも静かに寝ているわけでは無い赤ちゃんがお腹の中にいるときの睡眠は動睡眠、静睡眠に分けられ、動睡眠はレム睡眠に発達すると言われています。
大人になると夢を見るレム睡眠時には体を動かさないように抑制をするという機能が発達していきます。
でないと、夢を見ているときに体が動いて、隣にいる人にぶつかったりしてしまいますよね。
しかし、お腹にいる赤ちゃんの動睡眠というのは、脳が発達して体がうまく動いているかを確認する睡眠ではないかと言われていて、結構体を動かすんです。
なので生まれてからもその名残で、夢を見ているときに体を動かしたり声を出したりニコっと笑ったり泣き出したり、ということがあります。
ですから「赤ちゃんって絶えず静かに寝ているわけではない」ということは知っておくといいと思います。
でないと小さい声を上げただけで反応して、実は赤ちゃんを起こしていることに気付かないまま月齢がすすみ、夜泣きに繋がるということになりかねません。
——これは、妊娠中の方やママ予備軍の人たちには是非伝えたいですね。
参考記事:夜泣き専門"保育師に聞いた「寝かしつけ」習慣を変える8つのコツ
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